医療機関の各種届出事務

医療機関を開設すると、定期または臨時の保健所への届出等、様々な提出書類の作成があります。特に診療報酬と密接な関係にある、施設基準に基づく届出は、医療機関の収入や評価に差が出る重要なものです。

 

しかしながら、多くの小規模な診療所では、書類作成の頻度から考えても、自前で事務長を確保するのは難しく、院長本人が、診療業務の合間にこなすことが多いのではないでしょうか。

官公署への提出書類の作成は原則行政書士の独占業務です

他人の依頼を受けて報酬を得て、官公署へ提出する書類、権利義務に関する書類、事実証明に関する書類を作成するのは、他の法律により制限されているものを除き、行政書士の法定独占業務です。(行政書士法第1条の2)

行政書士以外の者がこうした業務を行うと、1年以下の懲役または100万円以下の罰金に処せられます。(行政書士法第21条)

これからの行政書士は、医療機関が官公署へ提出する書類についても、業務として積極的に取り組まなければならないと考えています。そうしなければ、自前で事務長を確保しない限り、院長先生の負担が増える一方だからです。

 

都道府県への届出

開設届の内容に変更が生じた場合は、管轄の保健所経由で届出をしなければなりません。

医療従事者の退職・就職も、この変更届の中に含まれます。、

この他に、毎年実施される医療施設動態調査(開設・廃止のみ)、3年に1回の医療施設静態調査(全医療機関)、病院と有床診療所を対象とした病院届(患者票、従事者票)などがあります。

地方厚生局への届出

診療所を開設したら、管轄の地方厚生局に保健医療機関の届出を行います。

勤務医(保険医)の退職・就職による入れ替えがあった場合は、常勤・非常勤に関わらず、届出の必要があります。

また、施設基準にもとづく届出も発生します。

届出内容は、診療報酬の改訂に伴い、変更されます。こうした情報をいち早く収集し、改訂の影響を予測することが大切です。

ちなみに最新の改訂では、急性期医療の適正な提供に向けた医療従事者の負担軽減と、医療と介護の役割分担の明確化と地域における連携体制の強化という2つの重点項目が掲げられました。特に後者については、「在宅医療」「地域移行」「訪問看護」等、診療所にといっても重要な事項が多く含まれています。

地元医師会からの情報提供もあると思いますが、具体的な書類の作成は、院長本人に任されているのが現状です。しかしながら施設基準は通常300ページ以上にもなり、これを読み込んで適切な届出を行うのは大変な作業です。

その他の届出

労災による指定を受けるためには、都道府県の労働局への指定申請が必要です。

また、生活保護法による指定を受けるためには、管轄の福祉事務所への指定申請が必要です。

当事務所でのご支援

当事務所では、個別の事情にもとづき、いただいた情報をもとにした書類の作成・提出や提出スケジュールの管理が可能です。

施設基準の内、貴医院に該当しそうなものや、少しの工夫で届出可能なものに気が付けば、その都度情報提供に努めさせていただきます。

また、添付書類には具体的な計画書の添付が求められることがありますが、様式が任意というところが逆に難しいものです。必要があれば審査する側にアピールする工夫についても、アドバイスさせていただきます。こうした取り組みにより、院長先生の負担軽減のためのご協力ができれば幸いです。  

 

また、新規開設の場合の申請・届出事務も代行しておりますので、ぜひ一度ご相談ください。

 

当事務所は、医療経営の原点に立ち返ったご支援をさせていただきます。